映画は一期一会

主に映画の感想を書いています

#2 "ゾンビ=ホラー"のその先へ「28日後…」

※一部内容のネタバレを含みます。ご了承ください。

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どーも。今日も映画の感想を書いていきます。

映画といってもそのジャンルは様々ですよね。その中でも私が特に好きなのは「ホラー」。そして、ホラーの中でもとりわけ好んで観ているのがゾンビ映画です。

 

さて、今回はゾンビ映画の中から、特にオススメの1作を紹介します。

 

「28日後…」イギリス/2002)

(オススメ度:★★★★★)

この作品はかなり有名なゾンビ映画の1つだと思います。多くの世間の評価通り、間違いなく面白いと言える映画です!

※オススメゾンビ映画といいましたが、厳密に言えばこの作品に登場するのは「感染症にかかった人々」であり、「ゾンビ(蘇った死体)」ではないです。

・人間としての意識がなく人を襲う

・感染によって増える

という2点を見て「ゾンビ」としています。

 

【あらすじ】

とある研究施設。監禁されたチンパンジーを救い出そうと、動物愛護組織が研究所を襲撃する。しかし、研究員によれば、チンパンジー感染症にかかっていると言う。その言葉を無視して檻からチンパンジーを放った愛護組織の女性は、暴れるチンパンジーに襲われてしまう。直後、彼女の目が赤く染まり、周りの人を襲い始めた。

28日後、主人公のジムは誰もいない病院で昏睡状態から目覚める。ジムは廃墟と化したロンドンで生き残った人々と出会う。

わずかな未来への希望を信じて、過酷な世界を生き抜くジムたちの運命は…

 

と、いった内容です。

 

【感想】

この作品の感心した点が2つありまして、

まず1つは感染症」であることとその原因が開幕で明確に描かれている点です。

これゾンビ映画では意外としっかりと描かれることがなくて、急にゾンビが現れるパターンが多いんですよね。

ま、別に細かいところは気にしない方なので、説明がなくてもいいんですが、やっぱりあった方がすんなりと世界観を理解できて好きですね。

 

次に2点目。これはもうタイトルのオシャレさです。

「28日後…」とつけるセンス…!このタイトルは「たった4週間、約1か月でこんなに大変なことになったよ」てことなんでしょうけど、こういう直接ストーリーの軸を言わない遠回しなタイトル…好きです。まあ、子どもがわからずに観たらトラウマになってしまう危険はありますが 笑

 

この映画、すでに固定化されつつあったゾンビのイメージに囚われていない点も魅力です。しっかりと怖い・びっくりするシーンはあるのですが、「もし、未知のウイルスによるパンデミックが起きたら?」という社会的といいますか、現実的なストーリーが軸となっているため、実はゾンビの登場シーンはあまり多くありません。

ゾンビはめちゃくちゃ走るし、知能や視覚や聴覚、嗅覚がおよそ人間並みで、化け物というよりも「感染した元人間」という感じです。極めつけは、その感染力ですね。なんと、一滴の血で感染します!作中では、死体から垂れた血が目に入って感染するシーンが印象的です。

ゾンビ映画といえば噛まれて、「俺を殺してくれ!」「ダメだできない!」みたいな葛藤シーンがあるあるですが、本作にはそういったシーンはありません。なぜなら、ただ血が体内に入るだけで感染して一瞬でゾンビになるから。これもかなり斬新な設定だと感じます。2021年現在でも、ここまでの感染力をもったゾンビはそうそう見ないですね…いやー、ある意味すごい怖いです。

 

冒頭のシーンから。いきなり研究所を襲撃する動物愛護組織のカットからはじまります。ウイルスの原因を説明するシーンですね。

このシーン、愛護組織の人が「チンパンジーかわいそう!」って言ってたのに、襲われた瞬間に「このサルをどかして!」と手のひら返ししてたのが、最高に笑えました。うーん、人間のエゴ を感じた 笑

 

そして、さっそくのタイトル回収が来ます。黒幕に描かれる「28日後」の文字。うーん、しびれますね。たった一人の女性に感染したウイルスがわずか4週間でどれだけ広まったのか、想像させられるすばらしい演出です。

 

見どころの1つが、「人がいない街」。撮影地はイギリスのロンドンなんですが、これがなかなかすごいです。本当に人っ子ひとりいない。地面には新聞や紙くずなどが転がり、世紀末感がとにかく丁寧に表現されています。あの華やかなロンドンが廃墟にしか見えませんでした。

 

主人公が訪れた、教会のシーンが印象的でした。細かいなぁと思うのですが、教会にはたくさんの死体(とゾンビ)がいて、おそらくパンデミックが起きて混乱した人々が「神頼み」で教会に集まったんだろうなと想像させてくれるんですよね。ちょっと国風が見えて好きな場面です。

 

その後はお約束の「奇妙なやつ(まあ、ゾンビですね)」に襲われるパートが入り、謎の人物が登場し主人公を救ってくれます。

さっきも書いたんですが、ゾンビの足がはやいです。普通に走ります。この作品は2002年のものなので、最初期の走るゾンビですね。こえー

 

この作品はホラーではありながら、後半はヒューマンドラマが描かれます。

そういう意味では、「ウォーキング・デッド」に近いかもしれませんね。ゾンビよりも恐ろしいものと対面する主人公、格闘する主人公がかっこいいです。

結末はあえて載せませんが、これを読んで興味を持っていただけたら幸いです。

ぜひ、観てみてください!

 

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「28日後…」

制作:イギリス 時間:114分

監督:ダニー・ボイル

出演:キリアン・マーフィ

   ナオミ・ハリス

   クリストファー・エクルストン