#5 眩しさと切なさの共存「あの夏、僕たちが好きだったソナへ」

「あの夏、僕たちが好きだったソナへ」公式サイト(https://synca.jp/bokusona/)
韓国映画「あの夏、僕たちが好きだったソナへ」を観てきました。
ネタバレがございますので、ご了承ください。
※一部敬称を省略させていただきます。
【あらすじ】
将来の夢もなく男友達と遊んでばかりいるジヌ(ジニョン)は、恋愛とは程遠い高校生活を謳歌していたが、とある出来事をきっかけに美しさと品格を兼ね備えたクラスの優等生・ソナ(ダヒョン)への想いに気づく。みんなの憧れの存在だったソナと少しずつ心を通わせ、青春の日々が色濃くなっていくジヌの毎日。
大変だった受験生活を終え、やがて特別な絆を築き始めていた2人はそれぞれの大学生活とともに大人への階段を上り始めるが…。
【感想】
とても面白かったです!夏にぴったりな爽やかな作品でした。
「こんな青春羨ましい」心からそう感じた、切なくも心温まるラブストーリーだと思います。
【キャラクターの魅力】
仲良し男子5人組とクラスのマドンナ、その親友。とても魅力溢れるキャラクターでした。
美しく成績優秀な優等生のソナ(ダヒョン)、恋愛も勉強も興味なし、友人と騒いでばかりのジヌ(ジニョン)、都会からの転校生ソンビン(ソン・ジョンヒョク)、食いしん坊のドンヒョン(キム・ヨハン)、異性に興味津々なテワン(イ・ミング)、眠るの大好きビョンジュ(イ・スンジュン)、ダンス好きなソナの親友ジス(キム・ミンジュ)。
キャストの皆さんとキャラクターが非常に合っていて、本物の学生のようでした。まるで、仲良し学生の学校生活を覗かせてもらっているような、そんな気持ち。
学生パートはこの作品において、とても重要、というより核と言っていいです。そして、モテモテかつ成績優秀なソナというキャラクターをどう見せるかかが作品の面白さを決定すると思います。
その点、ソナを演じたダヒョンさんは本当に適役でした!
現役の学生と見紛うほどの透明感、聡明な雰囲気、そしてマドンナという説得力がある美しさとオーラ。始終ダヒョンさん演じるソナに魅了されました。
ダヒョンさんは言わずと知れた世界的アーティストTWICEのメンバーで、今回が映画初出演です。いやー素晴らしいキャスティング、演技ですね。
悪戯に笑う笑顔は可愛く、アイドルである彼女の魅力が割り増しで感じられますし、自身の失敗をジヌに告げ大泣きする場面は、見ているこちらも心を抉られました。
そして、スクリーンの大画面に映し出されることで一際輝く彼女の美しさと圧倒的透明感。夏と青春がテーマであるこの作品において、ここまで適した役者がいるのかと感動を覚えました。
ダヒョンさんの今後の俳優活動がとても楽しみになるスクリーンデビューでした。
さらに、主人公のジヌを演じたジニョンさんもよかった!
陽気な学生感があって、イケメン。ちょっとムキムキすぎるけど笑
【爽やかな青春】
この作品は、ジヌが学生の頃の友人・ソナとの思い出を回想する形で進んでいきます。
その学生生活が、あまりにも眩しい!
勉強よりも遊びに夢中なおバカ男子のわちゃわちゃ、先生の説教、そして恋。
筆者の存在しない学生時の思い出が蘇りそうなほどリアルで羨ましい青春です。
特にソナがジヌの肩をペンでツンツン刺して呼ぶシーンと雨の中バス停で戯れる2人のシーンは本当によかったです。ちなみにペンツンツンの場面は伏線というか布石というか…ですね。
あとはソナが髪を下ろす場面ですね。普段はポニーテールの彼女がなぜ急に髪を下ろしたのか、ジヌは理由を聞かずに終わりますが、おそらく「ジヌの好みだと察したから」だと思います。
テスト結果で競った2人はそれぞれ罰ゲームを用意します。ソナは丸刈り、ジヌは髪を下ろすというものでした。結局ジヌが負けて丸刈りにするのですが、この時ソナは「ジヌは髪を下ろした方が好みなのかな?」と思ったのではないでしょうか。
自身の発言で女の子が髪型を変えた…「もしかして俺のことを…!?」と思わずにはいられない、ドキドキでキュンとする大好きなシーンです。
【ラストシーンの切なさ】
※めっちゃネタバレです。
タイトルから察せますが、この作品は失恋ものです。だからこそ、青春の眩しさと希少さが際立つ。
ラストはまさかのソナの結婚式。相手はもちろん…いや、誰!?
これすごくリアルに感じます。
なんとなく、自分が好きになった人って、自分もしくは自分の知り合いと結婚するような気がしてしまうんです。子どもの頃は。
でも、普通に考えてそんなことないですよね。「そうだよなー」と心の中で呟きました。
ラストでの印象的な場面は、ビョンジュの「1回だけ新婦とキスさせて!」という冗談から始まった衝撃の展開。
ソナ、まさかのOK!?ただし、条件は「新郎とキスすること」。ソナももちろん冗談のつもりが、真っ先に新郎にキスをしたバカがいた笑
それはジヌ。男同士熱いキスを交わす。「男は好きになった女の幸せを願うもの」口ではそう言いながらも、心のどこかでまだソナのことを好きなのかも知れない…そう感じる名シーンでした。
徐々に惹かれ合う2人の様子が丁寧に描かれることで、すれ違いのもどかしさが蓄積され、ラストシーンでの切なさの爆発へと繋がっていると思います。
「あの時告白していれば」「喧嘩した時謝っておけば」「素直になれば」
そんないくつもの後悔も、振り返ればいい思い出。でもやっぱり、夢見ちゃうよね〜…
あの時こうしていれば、今ソナとキスしているのは自分だったかも。そんなふうに夢見るジヌとソナのキスシーン、選択を後悔した過去の思い出。「何してるんだよジヌ…」そう思いながら、胸がキューっと締め付けられました。
「俺はいつまでも幼稚でい続ける」
そう宣言するジヌの姿はあの夏のまま。でも見つめる先にいるソナは、あの夏と同じ笑顔で明るく笑いながらも、確実に前へと進んでいる。
男の子はいつまでも子どもで、女の子は少し早く大人になるんですよね。切ないねぇ。
【あとがき】
とにかく眩しいのに、最後はとても切ない気持ちに包まれる本作。
いつまでも子どもでいられない。自分を見つめ直そうと思いました。
最後に小話を。
途中で出てくる怪談が怖すぎる笑 スクリーンで見たから普通にビビりました。
TWICEのファンの方、とくにダヒョンペンはキスシーンで心保つのかな…笑 自分はちょっと複雑でした。色々と。
ありがとうございました。
#4 愛で繋がる本当の家族「リロ&スティッチ(2025)」
実写版「リロ&スティッチ」を見てきたので、感想を書きたいと思います。
公開して間もないので、ネタバレなしになります。
興味を持ったら、ぜひ観てみてください!

【あらすじ】
ハワイ・カウアイ島に暮らす、両親を亡くした少女リロと姉のナニ。 親代わりとなろうと奮闘するナニだったが、幼いリロに振り回されて失敗ばかり…
一方、宇宙では実験で生み出された破壊生物「626(スティッチ)」が銀河連邦により処分を下される。しかし、626は拘束から抜け出し、逃げ出してしまう。そして、地球の小さな島カウアイ島に不時着するのだった。
愛を知らないエイリアン「スティッチ」と友達が欲しいと望む少女リロ、2人の出会いが描くハートフルファンタジー。
【感想】
2002年公開、アニメーション映画「リロ&スティッチ」の実写版になります。
スティッチを知らない人はおそらくいないでしょう。それだけ有名で愛されているキャラクターだと思います。
ちょうど公開日にオリジナル版が地上波で放送されたので、そちらを観てから実写版を観ました。
ストーリーはオリジナル版をかなり忠実に再現していると思います。細かい箇所に違いはありますが、そこは実写化する上で整合性をもたせる意味が強い変更でしょう。
オリジナル版も大変面白く感動しましたが、今回の実写版もとても面白かったです!
【魅力的なキャスト】
エイリアンのCGがかなりリアルでプリークリーとジャンバ博士は少し怖いくらいでしたが、スティッチはとにかくモフモフ可愛い!そこだけで個人的に高評価です。
また、実写キャストですが、特にリロがホントにリロでした…見た目はもちろんのこと、表情や演技の説得力がすごかったです。「アニメのリロが現実にいたらこんな少女」という説得力。
等身大で演じたマイア・ケアロハさんはまさにハマり役でした。
撮影時はリロとほぼ同い年で、現在9歳。今後が楽しみな俳優さんですね。
ナニもとてもハマっていました。
シドニー・アグドンさんが演じたナニは、健康的な少女という印象そのままに、実写だからこそ奮闘や葛藤、心情や表情がより伝わり、ストーリーに深みを与えていたと思います。
「両親がいなくなって親代わりになろうとする18歳」って、元々アニメにしては重い設定ですよね…そこはしっかり守りながら、ナニの子どもの部分と大人になろうとする部分を描くストーリーは実写だからこそ感情移入が出来ると感じました。
また、オリジナル版との違いとして、ナニが大学に進学したいが出来ない、という設定が追加されました。ナニに主体性を持たせて、より「自分よりも家族優先」ということを際立たせる、ナニのキャラクター性に深みを与える変更点です。
個人的に特に印象的だったのはプリークリーです。というより、演じたビリー・マグヌッセンさん。表情がプリークリーすぎる…!
エイリアンのプリークリーは当然CGですが、地球で潜入調査するために地球人に化けます。その際、声も演じられているビリーさんがそのまま人間verも演じているのですが、すごいです。
目がプリークリーそのまま!あの大きな瞳が目に浮かぶほど、表情・動きがプリークリーでした(動きはモーションキャプチャーかもですが)
ムキムキでイケメンなのに、中身がプリークリーだと確信できる演技力。流石プロですね。
【オリジナル版との違い】
上でも少し書きましたが、オリジナル版との違いが少しあります。
・リロの両親が亡くなったのが割と最近に変更
・スティッチの名前の由来が描かれる
・ナニが学年1位の秀才、海洋生物学部に進みたい
・オリジナルキャラクター、トゥトゥとケコア
・後半の展開
などなど…細かい部分は変更されています。
これらは、実写化する上で「現実的じゃない」という違和感を少しでもなくすためにされた変更だと思います。そのおかげで、特にモヤモヤせず観れました。
ちなみに、福祉局の職員ケコアを演じたティア・カレルさんは、オリジナル版ではナニを演じていたそうです。20年前ナニを演じた人物が、今回はナニとリロを助ける福祉局職員を演じる…粋なキャスティングですね。
一番の変更点はガントゥが出ないことですかね。オリジナル版では最大の敵として登場したガントゥですが、なんと今回出ません。
これは尺の都合上しょうがないかな…展開がくどくなっちゃうし。わりと好きなキャラなので少し残念ですが…
また、それに伴って、スティッチ達の敵と後半のストーリーが変わってます。
【日本語吹替について】
スティッチの声は山寺さんのイメージが強すぎたので、今回吹き替え版で観ました。20年くらい経ってるのに、声変わってなくない…?山ちゃんすごすぎますね笑 やっぱスティッチめちゃくちゃ可愛かったです。
プリークリーも三ツ矢さんのイメージ強いので、そのままで嬉しかったです。
ジャンバ博士はシソンヌの長谷川さんでしたが、違和感ほとんどなかったですね。まあ、俳優さんかな?というか古田新太さんか…?と思ってましたが、まさかの長谷川さん。全然わからなかった…流石コント師!それにしても、結構渋い演技されるんですね。
オリジナルキャラクターのトゥトゥを吹き替えたのは渡辺えりさん。
これ観た方は全員思ったと思うのですが、演じたエイミー・ヒルさんと渡辺えりさんそっくりすぎる!笑
「渡辺えりさんに似てるなー」と思ってたら、声も渡辺さんで驚きました。
言わずもがなハマってましたね。もはや渡辺さんがそのまま出てるレベル笑
ちなみに、このトゥトゥというキャラクター、かなり重要なキャラです。ストーリーに現実味を帯びさせる上で必要。活躍もします。そのせいで、デイヴィッド(トゥトゥの孫という設定になってました)が目立たなくなってしまった感は否めませんが…
【個人的小話含むまとめ】
気づいたらブログの更新が4年されてませんでした…また気が向いたら、更新していきたいと思います。感想をまとめたい映画はたくさんあるのでね。
スティッチを観たのは約20年ぶり、そもそもディズニー映画を観に行ったのも6年ぶりくらいだと思います…正直、最近のディズニーは微妙かなと感じていたこともあり、期間が空いてしまいましたが、今回のスティッチは非常に満足しました。
涙腺が脆くなったのかスティッチとリロがハグするだけで泣いてしまいましたし、スティッチがとにかくモフモフで可愛いし、最後は感動したし、面白かったです。いい映画観たなぁ。
オリジナル版のファンの方も、スティッチを観たことない方も、最近のディズニーに懐疑的な方も、大人も子どもも、オススメです。
あ、でも、ジャンバ博士とガントゥが大好きな方はちょっと満足出来ないかも…笑
読んでいただきありがとうございました。
#3 選挙は最高!だけどサイテー「スイング・ステート」
※ネタバレせずに紹介しております
どーも!
今回は絶賛公開中の作品が面白かったので、感想を言いつつ紹介したいと思います。
(オススメ度:★★★★★)
観る映画を探していたところ、たまたま公開していることを知り興味が湧いたため観てきました。かなり笑えるコメディです!

【あらすじ】
民主党選挙参謀・ゲイリー(スティーヴ・カレル)は、大統領選挙でトランプに大敗。打ちのめされたゲイリーだったが、ウィスコンシン州の小さな町で不法移民のために立ち上がる退役軍人ジャック(クリス・クーパー)のバズっているYouTube動画を見て、秘策を思いつく。それは彼を町長に立候補させ、選挙で勝たせることだった。
町を訪れたゲイリーはジャックとその娘ダイアナ(マッケンジー・デイヴィス)やボランティアの住民と、地道な選挙活動をスタートする。しかし、ライバルである共和党の選挙参謀・フェイス(ローズ・バーン)が対立候補側につき、小さな田舎町の町長選は巨額を投じた激しい戦いとなっていく!
苛烈な戦いの果てに勝利の笑みを浮かべるのは、一体誰なのか?
【感想】
いや〜、面白かったです。
事前情報はほとんど入れず、コメディってことだけわかっていたんですが、めちゃくちゃ笑えました 笑
全部おもしろかったのですが、特によかった個人的見どころを紹介します!
▼スティーブ・カレルの演技
主人公の顔と演技が最高で、台詞がなくても顔だけで笑わされることが多々ありました。恥ずかしながら主演のスティーヴ・カレルさんを存じ上げていなかったのですが、本作で一気にファンになりました。出演作をあさりまくります 笑

▼アメリカの選挙ってこんなんなの!?
アメリカの選挙は日本と違って大統領選挙があって、直接国民が代表を選ぶ点に加えて、政党も「民主党」と「共和党」の2つだけ。だからなのか、日本以上に支持する方々の対立や選挙に対する熱意が激しいイメージがあるんですが、その特殊性や違いをスクリーンを通してすごく味わえました。
すごい感じたのが、選挙にお金かかってるな、と。
作品内では、金持ちの投資家や元ロケットマンの支援者なんかも出てきまして…なんか規模がすごいと思いました。ちなみに、この「巨額の選挙資金」というのが、実はこの映画の非常に重要なテーマの1つにもなっているんですよね~。
まあ、庶民である私からすれば、「選挙も結局金かぁ」くらいに思いましたが 笑
アメリカの政治や選挙の知識がなくても十分に楽しめたんですが、ちょっと「?」のところもあったので、予備知識を入れるとより一層楽しめるかもしれません!
▼ジャックと娘のダイアナ
主人公が支える立候補者のジャックは、政治の知識はゼロで演説も上手とは言えません。ですが、非常に町思いな人で、嘘のない素直な言葉がめちゃくちゃ胸に刺さりました…ジャックは難しいことを言おうとすると言葉に詰まってしまうけど、彼の町を大切に思う気持ちが詰まった言葉が人の心を動かすんです。「ジャックはいい人だな」と。
こういう人に政治家になってほしいね。ホント

娘のダイアナはとにかく可愛い…じゃなくて、町思い。そして、父思いです。
いい子ですね。あと可愛い。笑顔が素敵でした。
都会にいそうな美人でありながら、田舎に住んでいるゆえのあどけなさを感じられて、マッケンジー・デイヴィスさんすごいなと思いました。ファンになりました(2回目)

▼ゲイリーとフェイスの口喧嘩と町の人々
この作品の一番の見どころは何といってもゲイリーとフェイスの言い合いだと思います!顔を見合わせるなり悪口合戦がはじまります。アホみたいに下ネタと「F●CK」を使う言い合いが最高に笑えました 笑
ほんと、中学生レベルです 笑 周りからすれば「お前らホントは仲いいだろ」って思われるやつですね。
町の住人たちの癖も強くて、最高です。特に好きなのはWI-FIのくだりですね。町に唯一あるWI-FIが、まさかあそこだとは 笑 パソコンをカタカタするシーンは爆笑でした。(観てないとなんのこっちゃだと思いますが)

始終ふざけて笑える作品ではありますが、散々笑った後に「選挙」と「お金」についてちょっとだけ考えさせられます。
私は「選挙ってサイテー!」と思いました。だけど、一部の人にとっては「最高」なんでしょうね。
この作品、いろいろな意味で裏切られますし、とにもかくにも笑えるので、ぜひ観ていただきたいです!映画館で笑いまくってください!
では、また次回~。
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制作:アメリカ 時間:102分
監督:ジョン・スチュワート
出演:スティーブ・カレル
マッケンジー・デイヴィス
(参考:映画『スイング・ステート』公式サイト)
#2 "ゾンビ=ホラー"のその先へ「28日後…」
※一部内容のネタバレを含みます。ご了承ください。

どーも。今日も映画の感想を書いていきます。
映画といってもそのジャンルは様々ですよね。その中でも私が特に好きなのは「ホラー」。そして、ホラーの中でもとりわけ好んで観ているのが「ゾンビ映画」です。
さて、今回はゾンビ映画の中から、特にオススメの1作を紹介します。
「28日後…」(イギリス/2002)
(オススメ度:★★★★★)
この作品はかなり有名なゾンビ映画の1つだと思います。多くの世間の評価通り、間違いなく面白いと言える映画です!
※オススメゾンビ映画といいましたが、厳密に言えばこの作品に登場するのは「感染症にかかった人々」であり、「ゾンビ(蘇った死体)」ではないです。
・人間としての意識がなく人を襲う
・感染によって増える
という2点を見て「ゾンビ」としています。
【あらすじ】
とある研究施設。監禁されたチンパンジーを救い出そうと、動物愛護組織が研究所を襲撃する。しかし、研究員によれば、チンパンジーは感染症にかかっていると言う。その言葉を無視して檻からチンパンジーを放った愛護組織の女性は、暴れるチンパンジーに襲われてしまう。直後、彼女の目が赤く染まり、周りの人を襲い始めた。
28日後、主人公のジムは誰もいない病院で昏睡状態から目覚める。ジムは廃墟と化したロンドンで生き残った人々と出会う。
わずかな未来への希望を信じて、過酷な世界を生き抜くジムたちの運命は…
と、いった内容です。
【感想】
この作品の感心した点が2つありまして、
まず1つは「感染症」であることとその原因が開幕で明確に描かれている点です。
これゾンビ映画では意外としっかりと描かれることがなくて、急にゾンビが現れるパターンが多いんですよね。
ま、別に細かいところは気にしない方なので、説明がなくてもいいんですが、やっぱりあった方がすんなりと世界観を理解できて好きですね。
次に2点目。これはもうタイトルのオシャレさです。
「28日後…」とつけるセンス…!このタイトルは「たった4週間、約1か月でこんなに大変なことになったよ」てことなんでしょうけど、こういう直接ストーリーの軸を言わない遠回しなタイトル…好きです。まあ、子どもがわからずに観たらトラウマになってしまう危険はありますが 笑
この映画、すでに固定化されつつあったゾンビのイメージに囚われていない点も魅力です。しっかりと怖い・びっくりするシーンはあるのですが、「もし、未知のウイルスによるパンデミックが起きたら?」という社会的といいますか、現実的なストーリーが軸となっているため、実はゾンビの登場シーンはあまり多くありません。
ゾンビはめちゃくちゃ走るし、知能や視覚や聴覚、嗅覚がおよそ人間並みで、化け物というよりも「感染した元人間」という感じです。極めつけは、その感染力ですね。なんと、一滴の血で感染します!作中では、死体から垂れた血が目に入って感染するシーンが印象的です。
ゾンビ映画といえば噛まれて、「俺を殺してくれ!」「ダメだできない!」みたいな葛藤シーンがあるあるですが、本作にはそういったシーンはありません。なぜなら、ただ血が体内に入るだけで感染して一瞬でゾンビになるから。これもかなり斬新な設定だと感じます。2021年現在でも、ここまでの感染力をもったゾンビはそうそう見ないですね…いやー、ある意味すごい怖いです。
冒頭のシーンから。いきなり研究所を襲撃する動物愛護組織のカットからはじまります。ウイルスの原因を説明するシーンですね。
このシーン、愛護組織の人が「チンパンジーかわいそう!」って言ってたのに、襲われた瞬間に「このサルをどかして!」と手のひら返ししてたのが、最高に笑えました。うーん、人間のエゴ を感じた 笑
そして、さっそくのタイトル回収が来ます。黒幕に描かれる「28日後」の文字。うーん、しびれますね。たった一人の女性に感染したウイルスがわずか4週間でどれだけ広まったのか、想像させられるすばらしい演出です。
見どころの1つが、「人がいない街」。撮影地はイギリスのロンドンなんですが、これがなかなかすごいです。本当に人っ子ひとりいない。地面には新聞や紙くずなどが転がり、世紀末感がとにかく丁寧に表現されています。あの華やかなロンドンが廃墟にしか見えませんでした。
主人公が訪れた、教会のシーンが印象的でした。細かいなぁと思うのですが、教会にはたくさんの死体(とゾンビ)がいて、おそらくパンデミックが起きて混乱した人々が「神頼み」で教会に集まったんだろうなと想像させてくれるんですよね。ちょっと国風が見えて好きな場面です。
その後はお約束の「奇妙なやつ(まあ、ゾンビですね)」に襲われるパートが入り、謎の人物が登場し主人公を救ってくれます。
さっきも書いたんですが、ゾンビの足がはやいです。普通に走ります。この作品は2002年のものなので、最初期の走るゾンビですね。こえー
この作品はホラーではありながら、後半はヒューマンドラマが描かれます。
そういう意味では、「ウォーキング・デッド」に近いかもしれませんね。ゾンビよりも恐ろしいものと対面する主人公、格闘する主人公がかっこいいです。
結末はあえて載せませんが、これを読んで興味を持っていただけたら幸いです。
ぜひ、観てみてください!
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「28日後…」
制作:イギリス 時間:114分
監督:ダニー・ボイル
出演:キリアン・マーフィ
#1 コメディにホラーのアクセントを加えると名作に?「ホラーマニアvs5人のシリアルキラー」
※一部内容のネタバレがございます。ご了承ください。
