映画は一期一会

主に映画の感想を書いています

#3 選挙は最高!だけどサイテー「スイング・ステート」

※ネタバレせずに紹介しております

 

どーも!

今回は絶賛公開中の作品が面白かったので、感想を言いつつ紹介したいと思います。

 

スイング・ステート

(オススメ度:★★★★★)

観る映画を探していたところ、たまたま公開していることを知り興味が湧いたため観てきました。かなり笑えるコメディです!

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映画『スイング・ステート』公式サイト

 

【あらすじ】

民主党選挙参謀・ゲイリー(スティーヴ・カレル)は、大統領選挙でトランプに大敗。打ちのめされたゲイリーだったが、ウィスコンシン州の小さな町で不法移民のために立ち上がる退役軍人ジャック(クリス・クーパー)のバズっているYouTube動画を見て、秘策を思いつく。それは彼を町長に立候補させ、選挙で勝たせることだった。

町を訪れたゲイリーはジャックとその娘ダイアナ(マッケンジー・デイヴィス)やボランティアの住民と、地道な選挙活動をスタートする。しかし、ライバルである共和党選挙参謀・フェイス(ローズ・バーン)が対立候補側につき、小さな田舎町の町長選は巨額を投じた激しい戦いとなっていく!

苛烈な戦いの果てに勝利の笑みを浮かべるのは、一体誰なのか?

 

【感想】

いや〜、面白かったです。

事前情報はほとんど入れず、コメディってことだけわかっていたんですが、めちゃくちゃ笑えました 笑

全部おもしろかったのですが、特によかった個人的見どころを紹介します!

 

ティーブ・カレルの演技

主人公の顔と演技が最高で、台詞がなくても顔だけで笑わされることが多々ありました。恥ずかしながら主演のスティーヴ・カレルさんを存じ上げていなかったのですが、本作で一気にファンになりました。出演作をあさりまくります 笑

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ゲイリー・ジマー(スティーヴ・カレル

アメリカの選挙ってこんなんなの!?

アメリカの選挙は日本と違って大統領選挙があって、直接国民が代表を選ぶ点に加えて、政党も「民主党」と「共和党」の2つだけ。だからなのか、日本以上に支持する方々の対立や選挙に対する熱意が激しいイメージがあるんですが、その特殊性や違いをスクリーンを通してすごく味わえました。

 

すごい感じたのが、選挙にお金かかってるな、と。

作品内では、金持ちの投資家や元ロケットマンの支援者なんかも出てきまして…なんか規模がすごいと思いました。ちなみに、この「巨額の選挙資金」というのが、実はこの映画の非常に重要なテーマの1つにもなっているんですよね~。

まあ、庶民である私からすれば、「選挙も結局金かぁ」くらいに思いましたが 笑

 

アメリカの政治や選挙の知識がなくても十分に楽しめたんですが、ちょっと「?」のところもあったので、予備知識を入れるとより一層楽しめるかもしれません!

 

▼ジャックと娘のダイアナ

主人公が支える立候補者のジャックは、政治の知識はゼロで演説も上手とは言えません。ですが、非常に町思いな人で、嘘のない素直な言葉がめちゃくちゃ胸に刺さりました…ジャックは難しいことを言おうとすると言葉に詰まってしまうけど、彼の町を大切に思う気持ちが詰まった言葉が人の心を動かすんです。「ジャックはいい人だな」と。

こういう人に政治家になってほしいね。ホント

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ジャック・ヘイスティングスクリス・クーパー

娘のダイアナはとにかく可愛い…じゃなくて、町思い。そして、父思いです。

いい子ですね。あと可愛い。笑顔が素敵でした。

都会にいそうな美人でありながら、田舎に住んでいるゆえのあどけなさを感じられて、マッケンジー・デイヴィスさんすごいなと思いました。ファンになりました(2回目)

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ダイアナ(マッケンジー・デイヴィス)

▼ゲイリーとフェイスの口喧嘩と町の人々

この作品の一番の見どころは何といってもゲイリーとフェイスの言い合いだと思います!顔を見合わせるなり悪口合戦がはじまります。アホみたいに下ネタと「F●CK」を使う言い合いが最高に笑えました 笑

ほんと、中学生レベルです 笑 周りからすれば「お前らホントは仲いいだろ」って思われるやつですね。

町の住人たちの癖も強くて、最高です。特に好きなのはWI-FIのくだりですね。町に唯一あるWI-FIが、まさかあそこだとは 笑 パソコンをカタカタするシーンは爆笑でした。(観てないとなんのこっちゃだと思いますが)

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ゲイリー(スティーヴ・カレル)とフェイス・ブルースターローズ・バーン

始終ふざけて笑える作品ではありますが、散々笑った後に「選挙」と「お金」についてちょっとだけ考えさせられます。

私は「選挙ってサイテー!」と思いました。だけど、一部の人にとっては「最高」なんでしょうね。

 

この作品、いろいろな意味で裏切られますし、とにもかくにも笑えるので、ぜひ観ていただきたいです!映画館で笑いまくってください!

 

では、また次回~。

 

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スイング・ステート

制作:アメリカ 時間:102分

監督:ジョン・スチュワート

出演:スティーブ・カレル

   クリス・クーパー

   マッケンジー・デイヴィス

   ローズ・バーン

 

(参考:映画『スイング・ステート』公式サイト

 

#2 "ゾンビ=ホラー"のその先へ「28日後…」

※一部内容のネタバレを含みます。ご了承ください。

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どーも。今日も映画の感想を書いていきます。

映画といってもそのジャンルは様々ですよね。その中でも私が特に好きなのは「ホラー」。そして、ホラーの中でもとりわけ好んで観ているのがゾンビ映画です。

 

さて、今回はゾンビ映画の中から、特にオススメの1作を紹介します。

 

「28日後…」イギリス/2002)

(オススメ度:★★★★★)

この作品はかなり有名なゾンビ映画の1つだと思います。多くの世間の評価通り、間違いなく面白いと言える映画です!

※オススメゾンビ映画といいましたが、厳密に言えばこの作品に登場するのは「感染症にかかった人々」であり、「ゾンビ(蘇った死体)」ではないです。

・人間としての意識がなく人を襲う

・感染によって増える

という2点を見て「ゾンビ」としています。

 

【あらすじ】

とある研究施設。監禁されたチンパンジーを救い出そうと、動物愛護組織が研究所を襲撃する。しかし、研究員によれば、チンパンジー感染症にかかっていると言う。その言葉を無視して檻からチンパンジーを放った愛護組織の女性は、暴れるチンパンジーに襲われてしまう。直後、彼女の目が赤く染まり、周りの人を襲い始めた。

28日後、主人公のジムは誰もいない病院で昏睡状態から目覚める。ジムは廃墟と化したロンドンで生き残った人々と出会う。

わずかな未来への希望を信じて、過酷な世界を生き抜くジムたちの運命は…

 

と、いった内容です。

 

【感想】

この作品の感心した点が2つありまして、

まず1つは感染症」であることとその原因が開幕で明確に描かれている点です。

これゾンビ映画では意外としっかりと描かれることがなくて、急にゾンビが現れるパターンが多いんですよね。

ま、別に細かいところは気にしない方なので、説明がなくてもいいんですが、やっぱりあった方がすんなりと世界観を理解できて好きですね。

 

次に2点目。これはもうタイトルのオシャレさです。

「28日後…」とつけるセンス…!このタイトルは「たった4週間、約1か月でこんなに大変なことになったよ」てことなんでしょうけど、こういう直接ストーリーの軸を言わない遠回しなタイトル…好きです。まあ、子どもがわからずに観たらトラウマになってしまう危険はありますが 笑

 

この映画、すでに固定化されつつあったゾンビのイメージに囚われていない点も魅力です。しっかりと怖い・びっくりするシーンはあるのですが、「もし、未知のウイルスによるパンデミックが起きたら?」という社会的といいますか、現実的なストーリーが軸となっているため、実はゾンビの登場シーンはあまり多くありません。

ゾンビはめちゃくちゃ走るし、知能や視覚や聴覚、嗅覚がおよそ人間並みで、化け物というよりも「感染した元人間」という感じです。極めつけは、その感染力ですね。なんと、一滴の血で感染します!作中では、死体から垂れた血が目に入って感染するシーンが印象的です。

ゾンビ映画といえば噛まれて、「俺を殺してくれ!」「ダメだできない!」みたいな葛藤シーンがあるあるですが、本作にはそういったシーンはありません。なぜなら、ただ血が体内に入るだけで感染して一瞬でゾンビになるから。これもかなり斬新な設定だと感じます。2021年現在でも、ここまでの感染力をもったゾンビはそうそう見ないですね…いやー、ある意味すごい怖いです。

 

冒頭のシーンから。いきなり研究所を襲撃する動物愛護組織のカットからはじまります。ウイルスの原因を説明するシーンですね。

このシーン、愛護組織の人が「チンパンジーかわいそう!」って言ってたのに、襲われた瞬間に「このサルをどかして!」と手のひら返ししてたのが、最高に笑えました。うーん、人間のエゴ を感じた 笑

 

そして、さっそくのタイトル回収が来ます。黒幕に描かれる「28日後」の文字。うーん、しびれますね。たった一人の女性に感染したウイルスがわずか4週間でどれだけ広まったのか、想像させられるすばらしい演出です。

 

見どころの1つが、「人がいない街」。撮影地はイギリスのロンドンなんですが、これがなかなかすごいです。本当に人っ子ひとりいない。地面には新聞や紙くずなどが転がり、世紀末感がとにかく丁寧に表現されています。あの華やかなロンドンが廃墟にしか見えませんでした。

 

主人公が訪れた、教会のシーンが印象的でした。細かいなぁと思うのですが、教会にはたくさんの死体(とゾンビ)がいて、おそらくパンデミックが起きて混乱した人々が「神頼み」で教会に集まったんだろうなと想像させてくれるんですよね。ちょっと国風が見えて好きな場面です。

 

その後はお約束の「奇妙なやつ(まあ、ゾンビですね)」に襲われるパートが入り、謎の人物が登場し主人公を救ってくれます。

さっきも書いたんですが、ゾンビの足がはやいです。普通に走ります。この作品は2002年のものなので、最初期の走るゾンビですね。こえー

 

この作品はホラーではありながら、後半はヒューマンドラマが描かれます。

そういう意味では、「ウォーキング・デッド」に近いかもしれませんね。ゾンビよりも恐ろしいものと対面する主人公、格闘する主人公がかっこいいです。

結末はあえて載せませんが、これを読んで興味を持っていただけたら幸いです。

ぜひ、観てみてください!

 

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「28日後…」

制作:イギリス 時間:114分

監督:ダニー・ボイル

出演:キリアン・マーフィ

   ナオミ・ハリス

   クリストファー・エクルストン

#1 コメディにホラーのアクセントを加えると名作に?「ホラーマニアvs5人のシリアルキラー」

※一部内容のネタバレがございます。ご了承ください。

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はじめまして。どーも
映画が好きなんですが、内容がどうもうろ覚えになってしまう…ということで、ブログに映画の感想なんかをメモ書き程度に書くことにしました。
好き勝手書きますが、どうぞよろしくお願いします。
 
さて、第1回は
「ホラーマニアvs5人のシリアルキラー(カナダ/2020)
(オススメ度:★★★☆☆)
 
とにかくタイトルに惹かれました。ホラー映画が大好きなんですが、これはホラーに加えてどこかコメディーの香りがするぞ…(ワクワク!)と思ってレンタル。
 
 
【あらすじ】
主人公はホラー雑誌記者のジョエル。
ルームメイトに思いを寄せるが、彼女が男とデートするのを目撃してしまう。
ジョエルは相手の男の弱みを掴んでやる!と男を尾行しバーに行くも、泥酔し、バーは眠ったジョエルを残したまま閉店してしまう。
その頃、閉店後のバーには6人の殺人鬼が集まっていた。しばらくして目覚めたジョエルは、不運にも殺人鬼に遭遇してしまう!
 
…といった内容です。
 
 
 
【感想】
さて、早速感想を。
とりあえず思ったことは
「主人公ホラーマニアっていう設定いらなくない?」
ですね。これは邦題が悪いと言えば、まあそうなんですが、てっきりホラーマニアの知識を活かして、シリアルキラーをボッコボコにする映画だと想像してまして…うーん、違った 笑
 
ただ、グロさは中々リアリティがありまして、登場する女性が綺麗!何よりも、殺人鬼のキャラクターがいい!!途中で登場する警察官のキャラクターもかなり笑えます 笑
 
以下、内容のネタバレを含みます
 
 
 
 
 
 
 
まず、最初の殺人鬼の会合にうっかり参加しちゃった!のシーンなんですが、ここは結構好きでしたね。「こいつら全員殺人鬼だ!」と気づいてからの咄嗟の機転は流石はホラーマニアといったところ。疑われないようにタクシードライバーをしていると嘘をついた主人公のビビりっぷりったら 笑 こっちもドキドキしてしまいました。しどろもどろになりながら殺しの手口を語るのを見て、さすがにバレるだろ…なんて思っていたら、大柄な殺人鬼がめちゃくちゃ共感してて、「あっ、こいつバカだな」と思いクスッと笑えました。
 
このシーンでずっと気になってたのが、タイトルの5人ってどいつだ?(最初にバーにいた殺人鬼は遅刻したやつ含めて6人)ということでして、しばらくしたら殺人鬼の1人が殺されたので「これで5人?」と思っていたら、まさかの女性殺人鬼は裏切り者
これには少し驚きました。ただ、彼女は警察とかではなく、「殺人鬼を殺す殺人鬼」といったようなもので、この設定がほとんど説明されず、いまいちピンとこなかったのは残念。まあ、あまり細かいところは気にならなかったのですが、正直言って彼女のせいで主人公の活躍はほとんどありませんでした 笑 
 
彼女が殺人鬼ではないと判明した頃から「もしやこれ、主人公のホラーマニアっぷり発揮されない?」と不安を抱きながら見てしまいました(結果は前述の通りでした…)
 
なんやかんやあって主人公と女性殺人鬼は手を組むのですが、それからは思った以上に(彼女が強すぎて)サクサク殺人鬼がやられまして…「殺人鬼20人くらいいた方がいいんじゃない?」と尺が心配になってしまう始末。
 
この映画あんま面白くないかも…と不安になったところで、ついに救世主が現れます。そう、ホラー映画ではお馴染み、無能警察!!
殺人鬼の策略にハマって、まんまと主人公を逮捕して満足げにハイタッチする2人の警官を見て、「こいつらは(おバカ枠として)やってくれる!」と確信しました。
取り調べでは主人公の言葉に耳を貸さず、仕事もテキトー、警官のくせにビビり。無能警官っぷりをこれでもか!と見せてくれたところで、殺人鬼が登場。
 
警察手帳を見せただけで殺人鬼を上司だと信じ込み、まんまと騙され殺人鬼を署内へ…
お馴染みの「牢屋の鍵を奪われる仕事」と「ファースト殺され役」を見事にこなしたあんた等の姿は忘れないぜ…
ただ、文句があるのが、さらっと死亡フラグとして警官から発せられた「俺が死んだら娘が天涯孤独になっちまう」という台詞。いや、いるぅ!?すごい悲しくなっちゃったんだけど!ここはなんかもっと、マイルドな台詞にしてほしかったなぁ…死んでもなんとも思わないような…ま、とはいえ、なかなかいいキャラしてて好きでした。警官たち
 
正直このあとは特に見どころないです()
あまりにもあっさりと殺人鬼がやられちゃうので 笑
あ、でも、主人公が結構体を張って殺人鬼に立ち向かう様子はよかったですね!応援したくなります。やはり、この映画はキャラがいいのかもしれませんね。
 
 
さて、主人公のホラーマニアっぷりこそあまり発揮されませんが、ホラー要素はしっかりありながらも笑える作品になっているので、興味を持った方はぜひ観てみてください。
ちなみに、タイトルは作中で使われた台詞から取ってつけました。本作は名作になれた…のか?
 
では、また次回~
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「ホラーマニアvs5人のシリアルキラー
(原題:Vicious Fun
製作:カナダ/時間:101分
監督:コディ・キャラハン
出演:エバン・マーシュ
   アーバン・ゴールドファーブ
   アリ・ミレン